こんにちは。弁護士法人咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。

「顧問弁護士は、経営者や法務担当者が使うもの」 「会社の契約書チェックや、取引先とのトラブルに対応するのが仕事だ」 このように考えていませんか?

顧問弁護士の主な役割は企業活動に関する法律事務ですが、顧問契約の内容によっては、会社だけでなく社員の相談にも対応することが可能です。

プライベートで社員が抱える法的な悩みは、その社員の心身を害するだけでなく、パフォーマンスや定着率にも悪影響を及ぼします。放置すれば、突然の退職といった形で、経営リスクとして表面化しかねません。

このようなリスクを回避するための手段の一つとして、顧問弁護士による社員相談を導入する方法があります。顧問弁護士が社員の相談に対応することで、従業員のプライベートにおける不安やストレスを軽減し、生産性の向上や人材の定着が期待できます。

一方で、社員の相談を顧問弁護士にできる制度を導入する際には、守秘義務や利益相反などの注意点をおさえておく必要があります。

この記事では、従業員が顧問弁護士に相談できる内容の事例や会社側のメリット、実際に咲くやこの花法律事務所でご相談いただいた事例などについてご紹介します。この記事を最後まで読んでいただくことで、企業活動に関する法律事務としての顧問弁護士の役割だけでなく、従業員が顧問弁護士に相談できる体制構築による会社側のメリットなども踏まえながら、自社の顧問弁護士探しに向けて動き出すことができるようになります。

それでは見ていきましょう。

 

「弁護士 西川 暢春」からのコメント
「弁護士 西川 暢春」からのコメント咲くやこの花法律事務所では、顧問契約をご検討中の事業者様向けに弁護士との無料面談の機会を設けています。事務所にお越しいただく方法のほか、オンライン面談や電話でのご説明も可能です。顧問弁護士サービスが気になっているという方は気軽にお問い合わせください。

▶参考情報:顧問弁護士サービス内容・顧問料・実績について詳しくはこちら

 

顧問弁護士サービスのご相談顧問弁護士サービスのご相談

 

1.そもそも、顧問弁護士って何?

顧問弁護士とは、会社から継続的に相談を受け、企業活動に関する法的なアドバイスや契約書のリーガルチェック等の法律事務を行う弁護士のことをいいます。弁護士により違いはありますが、取り扱い分野は契約書作成リーガルチェックのほか、労務問題債権回収、知的財産等多岐にわたります。

 

参考情報
▶参考情報:顧問弁護士の詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご参照ください。

顧問弁護士とは?役割やメリットについて詳細解説

 

2.顧問弁護士は社員の相談にも対応できる?

顧問弁護士は社員の相談にも対応できる?

顧問弁護士は「会社の企業活動や経営者のためのもの」です。ただし、顧問契約の内容によっては、会社だけでなく社員の相談にも対応することが可能です。

もっとも、社員が顧問弁護士に相談できる内容には制限があります。

例えば未払い残業代についての相談など、社員と会社との間で利益相反が生じるような内容については、顧問弁護士に相談することができません。

この点については、「6.社員が顧問弁護士に相談する際の注意点」で説明していますので、詳しくはそちらをご覧ください。

 

3.従業員が顧問弁護士に相談できる内容の例

従業員が顧問弁護士に相談できる内容の例

従業員がプライべートでのトラブルについて会社の顧問弁護士に相談できる事項として、以下の例があげられます。

 

3−1.交通事故

従業員が交通事故被害に遭った場面における加害者に対する損害賠償請求、相手方保険会社との交渉など

 

3−2.債務整理(個人破産)

従業員の個人的な借金(クレジットカードや消費者金融など)の債務整理や破産申立ての対応など

 

3−3.離婚

従業員の離婚の際の親権や養育費、面会交流の条件交渉、財産分与、不貞行為やDV(家庭内暴力)に伴う慰謝料請求など

 

3−4.相続

遺産を巡る親族間での相続トラブル、遺産分割協議や遺産分割調停の対応など

 

3−5.近隣トラブル

騒音問題、自宅等の工事に関する近隣住民とのトラブル、土地の境界問題、ペットトラブル、悪臭に関するトラブルなど

 

3−6.消費者トラブル

代金を支払ったにもかかわらず商品が届かない、ネット通販で購入した商品が偽物だった、クーリングオフに関するトラブル、マルチ商法、美容関連サービスに関するトラブルなど

 

3−7.借金・金銭トラブル

友人・知人に貸したお金が返ってこない、副業・投資詐欺被害に遭った、架空請求被害に遭ったなど

 

3−8.刑事事件

従業員が私生活で事件を起こして逮捕されたり、捜査の対象になった場合の対応など

 

4.従業員が顧問弁護士に相談できる場合の会社側のメリットとは?

では、上記のような従業員のプライベートのトラブルについて、会社の顧問弁護士に相談できることで会社にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

主なメリットは以下の通りです。

 

  • (1)人材の定着を図ることができる
  • (2)社員が私生活上のトラブルに囚われることなく仕事に集中できる

 

順番に詳しく解説します。

 

4−1.人材の定着を図ることができる

従業員も一人の生活者であり、例えば交通事故、離婚、近隣住民との騒音問題など、プライベートである日突然トラブルに巻き込まれる可能性があります。

こうしたトラブルは従業員にとって極めて大きなストレスとなります。「どう解決すればいいのか分からない」「誰に相談すればよいかわからない」といった不安が頭から離れず、本来の業務に集中できなくなることも少なくありません。

このような状態が続くと、パフォーマンスの低下はもちろん、心身の不調をきたし、最悪の場合休職や離職につながりかねません。弁護士に相談することで解決の糸口が見え、精神的な負担が大幅に軽減されます。その結果、プライベートな問題を理由とした精神的な不調や突然の離職を防ぐことができます。

 

4−2.社員が私生活上のトラブルに囚われることなく仕事に集中できる

仕事と私生活を完全に切り離すことは容易ではありません。もし従業員がプライベートで法的なトラブルを抱えた状態でいると、仕事に集中できず、パフォーマンスやモチベーションが著しく低下してしまいます。

顧問弁護士に相談できることで問題解決への見通しが立ち、従業員の業務への集中力を取り戻すことが可能です。

 

「弁護士 西川 暢春」からのコメント
「弁護士 西川 暢春」からのコメントプライベートな問題を顧問弁護士に相談した後に、さらに具体的な事件の解決に向けた対応も依頼する場合、その依頼費用を従業員個人が負担することが原則です。

ただし、咲くやこの花法律事務所がご相談をお受けする事例の中には、従業員の個人的なトラブル(例えば近隣住民とのトラブルや刑事事件など)について、社員の定着や人材の確保の観点から、会社が弁護士費用を負担する、あるいは会社が弁護士費用を立て替えるという選択を会社がされるケースも多くあります。

 

5.咲くやこの花法律事務所で実際にお受けした相談の事例

次に、咲くやこの花法律事務所で実際に顧問先の従業員の方からお受けした相談の事例をいくつかご紹介します。

 

5−1.商品の引渡し請求に関するご相談

サウナ購入のために販売会社と契約を締結し、代金の支払いを済ませたものの、引渡し期日を過ぎても一向に納品されないという内容のご相談です。

 

実際の対応内容

顧問先の従業員から依頼を受け、弁護士が指定期限までにサウナの引き渡しを要求する旨の内容証明郵便を販売会社宛に送付し、督促を行いました。

 

5−2.近隣トラブルに関するご相談

顧問先の従業員が自宅の工事を実施したことをきっかけに、特定の近隣住民との関係が悪化してしまい、法的に何ら問題なく工事を完了させたにもかかわらず、その住民から「あなたのせいで多大な迷惑を被り、精神的苦痛を受けている」といった内容の手紙が工事完了後も繰り返し送りつけられるようになりました。

従業員はそのストレスから体調を崩し、仕事にも支障が出る状態になってしまったため、会社を通して弁護士に対応をご依頼いただきました。

 

実際の対応内容

弁護士からその住民に対し、今後一切連絡をしないように求める旨の書面を送付し、今後も同様の迷惑行為が続くようであれば法的な対応を検討せざるを得ないことを警告しました。

 

5−3.相続における親族トラブルに関するご相談

相談者である従業員の父親が亡くなった際の遺産(不動産)分割で、母親、兄弟で分割合意をしました。家族間で関係は良好であったため、分割は形式的なものであり、相談者様の兄の分割分についても、賃料などは払わずに母親がそのまま利用を継続していました。

しかし、兄の結婚相手の影響で、兄が自己の持ち分を引き渡すよう母親に要求するようになり、最終的に調停が起こされたため、兄に対してどのように対応したらよいかという内容のご相談でした。

 

実際の対応内容

弁護士が法的な権利関係の説明や、兄に所有権があるので要求自体は無視できないこと、現状のまま使い続けたいのであればまずは兄と合意をする必要があることを説明した上で今後の対応についてアドバイスを行いました。

 

「弁護士 西川 暢春」からのコメント
「弁護士 西川 暢春」からのコメントその他従業員や従業員のお子様の離婚に関するご相談、従業員がプライベートで起こしてしまった刑事事件に関するご相談など、プライベートのトラブルに関するご相談を顧問先の従業員からお受けする例があります。

 

6.社員が顧問弁護士に相談する場合の注意点

社員が顧問弁護士に相談する場合の注意点

社員が自社の顧問弁護士に相談する場合の注意点としては、以下の2点があります。

 

  • (1)守秘義務
  • (2)利益相反

 

それぞれ順番に詳しく解説します。

 

6−1.守秘義務

弁護士法第23条により、弁護士は相談者に対する守秘義務を負います。そのため、たとえ、勤務先の会社であっても弁護士に従業員の相談内容の開示を求めることはできません。

もっとも、相談する従業員としても、会社と状況を共有して、会社の協力を得ながら対応することがメリットとなることもあります。

例えば刑事事件で従業員が身柄拘束されているといった事案では、会社としても身柄拘束がいつ解かれる見込みなのかを把握したいと考えることが通常でしょう。そのような場合は、相談者である従業員本人の許可を得て、会社と情報を共有しながら対応を進めることも可能です。

 

参考情報
▶参考情報:弁護士法第23条

第二十三条 弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

・参照元:「弁護士法」の条文

 

6−2.利益相反

利益相反とは、一方の当事者の利益になる行為を行うことでもう一方の当事者に損害を与えてしまうことをいいます。

弁護士職務基本規程第28条により、弁護士は利益相反にあたる事件についての相談や依頼を受けることを禁止されています。このようなルールがあるため、顧問弁護士は以下のような会社と従業員の間で利益相反が生じる内容については、従業員からの相談を受けることはできません。

 

1.会社との間で利益相反に該当する相談の例

  • 会社に対して未払い残業代を請求したい
  • 懲戒処分に納得いかないため会社を訴えたい
  • 不当解雇で会社を訴えたい
  • 労災について会社に対し損害賠償請求をしたい
    など

 

参考情報
▶参考情報:弁護士職務基本規程第28条

第二十八条
弁護士は、前条に規定するもののほか、次の各号のいずれかに該当する事件については、その職務を行ってはならない。ただし、第一号及び第四号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合、第二号に掲げる事件についてその依頼者及び相手方が同意した場合並びに第三号に掲げる事件についてその依頼者及び他の依頼者のいずれもが同意した場合は、この限りでない。
一 相手方が配偶者、直系血族、兄弟姉妹又は同居の親族である事件
二 受任している他の事件の依頼者又は継続的な法律事務の提供を約している者を相手方とする事件
三 依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件
四 依頼者の利益と自己の経済的利益が相反する事件

・参照元:「弁護士職務基本規程」の条文

 

7.咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスのご紹介

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスのご紹介

咲くやこの花法律事務所では、企業や医療機関、学校法人、各種士業の先生方向けに顧問弁護士サービスによるサポートを提供しています。以下では、咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスについてご紹介します。

 

7−1.顧問先の社員の方からの相談への対応について

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスは、会社や会社経営者からのご相談にお答えすることを基本とするものです。ただし、会社経営者を通じたご依頼があった場合に、顧問先の従業員からのプライベートのトラブルに関するご相談についても対応しています。咲くやこの花法律事務所は企業法務を扱う事務所であり、プライベートのトラブルについて他の弁護士をご紹介した方がよいと判断したときは、他の弁護士をご紹介させていただくこともあります。

 

7−2.顧問先の社員の方からの相談の費用について

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスでは、会社や会社経営者からのご相談への対応について顧問料をいただいています。顧問先の従業員からのプライベートのトラブルに関するご相談は顧問料の範囲には含まれておらず、別途30分あたり5000円(税別)程度の費用をいただいて対応させていただくことが基本となっています。

ただし、会社からいただいているご相談の量が少ない場合は、経営者の方からのご要望があれば、顧問先の従業員からのプライベートのトラブルに関するご相談について無料で対応させていただくケースもあります。

 

7−3.咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスプラン

咲くやこの花法律事務所の顧問契約については、以下の4つのプランの中からニーズに応じてお好きなプランをお選びいただけます。

 

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスの顧問プラン表と顧問料

※ミニマムプラン・スタンダードプランにおいても、通常の契約書・社内文書・利用規約・プライバシーポリシーのチェック等について上記「プランの目安」の範囲内でプラン内での対応が可能ですが、特に分量が多く複雑なものについては別途料金をいただくことがあります。

 

参考情報
▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスのプラン内容に関してや、顧問弁護士費用の相場感についてなどは、以下を参考にしてください。

咲くやこの花法律事務所の顧問契約プラン

顧問弁護士にかかる費用はどのくらい?顧問料の相場など料金について

 

▶参考情報:咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスについて詳しく解説した動画を公開中です。あわせてご参照ください。

 

顧問弁護士サービスのご相談顧問弁護士サービスのご相談

 

8.まとめ

この記事では、顧問弁護士は社員の相談に対応できるか否かといった点や従業員が顧問弁護士に相談できる場合の会社側のメリット等について解説しました。

顧問契約の内容によっては、顧問弁護士は会社だけではなく、従業員の相談にも対応することが可能です。

ただし、従業員が顧問弁護士に相談できる内容については制限があり、会社と利益相反が生じるような内容の相談は受けることができません。また、弁護士は相談者に対する守秘義務があるため、たとえ会社であっても従業員の相談内容を開示することは原則としてできません。

従業員が顧問弁護士に相談できる内容としては、以下のような例があります。

 

  • (1)交通事故
  • (2)債務整理(個人破産)
  • (3)離婚
  • (4)相続
  • (5)近隣トラブル
  • (6)消費者トラブル
  • (7)借金・金銭トラブル

 

従業員が顧問弁護士に相談できる場合の会社側のメリットとしては、「(1)人材の定着をはかることができる」、「(2)社員が仕事に集中できる」といった点があげられます。人材確保のための施策として、顧問弁護士による社員相談を導入することで福利厚生サービスの充実をアピールすることも一つの方法です。

咲くやこの花法律事務所の顧問弁護士サービスでも、従業員の相談に対応することが可能です。咲くやこの花法律事務所では、顧問弁護士サービスをご検討されている事業者の方に向けて弁護士による無料面談を実施しています。オンラインでの面談や電話でのご説明も可能です。顧問弁護士サービスをご検討されている方は、咲くやこの花法律事務所までお問い合わせください。

 

9.【関連情報】顧問弁護士に関するお役立ち情報

この記事では、「顧問弁護士に社員の相談も対応してもらえる?会社側のメリットや活用事例について」を解説してきましたが、顧問弁護士をお探しの方に向けて、他にも重要なお役立ち情報を公開しています。以下でご紹介しておきますので、あわせてご参照ください。

 

顧問弁護士に関する基本的なお役立ち情報

顧問弁護士の探し方とは?選び方で重視すべきポイントや注意点を解説

中小企業向けの顧問弁護士とは?必要性などをわかりやすく解説

スタートアップに弁護士は必要?顧問弁護士の役割やメリットを解説

企業法務弁護士とは?役割や依頼するメリット、選び方のポイントなどを解説

 

業種別のお役立ち情報

社会保険労務士の先生方向け顧問弁護士サービス!活用メリットなどを解説

エステなど美容業界における顧問弁護士!弁護士の必要性や役割、選び方を解説

医療法人・クリニックの顧問弁護士とは?弁護士の役割や選び方について

建設業(建築工事業、土木工事業、解体工事業など)の顧問弁護士!弁護士の役割や選び方

運送業に強い顧問弁護士とは?弁護士の役割や選び方について

派遣会社のための顧問弁護士とは?弁護士の役割や選び方について

不動産業に強い顧問弁護士!メリットや具体的な活用場面を詳しく解説

社会福祉法人に顧問弁護士は必要?弁護士の役割やメリットを解説